『通信・交通インフラがあなたを監視する…』
携帯電話や街角の監視カメラなどの通信インフラが自分を46時中監視し、どこかから次々と指令を出してくる。周到に自分に仕掛けられた罠から抜け出すためには、電話の先の得体のしれない「声」に従うしかない…。
私がこの映画を観る前に期待していたのは、「声の正体は誰で、なぜ、主人公は監視されているのか」というミステリー部分についての解明。少なくとも、私にとってはそれこそがこの映画の魅力だと思っていたので、一部サイトやレビューでその部分に触れてある記述を読むと、これから観ようとする人はがっかりするのでは心配してしまいます。
それはさておき、この映画、非常に優れたエンターテイメント作品で「相手は自分が見えているのに、自分は相手が見えない」という圧倒的不利な状況の不安感や緊張感を上手く表現し、観る者に息つく間を与えぬほどのスリルとサスペンスを与えてくれます。
普通の青年である主人公が、次々と巻き込まれる非日常的事態。通信、交通、情報といった、生活のライフラインが全て相手の意のままにコントロールされるというのは余りにも恐ろしいですが、だからこそ、スピルバーグ監督らしいユニークなアイデア溢れるアクションの連続で、全く飽きさせません。
細かい設定はハリウッド大作らしい大味な部分もあり、また、アクションのすごさに比べて、肝心の事件の真相がそれほど意外でも無いので、過去の同系統の映画と比較して、飛びぬけた傑作という訳ではありませんが、支払ったお金以上の楽しさは得られるはずです。