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実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 [DVD]

『お粗末な「再現ドラマ」』
連合赤軍に新左翼の何事かを「代表」させるという基本的な史観のレベルで監督とは物事を共有できません。最初の闘争の記録みたいなニュース映像も勘弁してほしいです。
それはともかくとしてドラマとしてひどいと思います。
まず若い役者のアジ演説や口調が「実録」レベルに達していない。服装や髪型も小ぎれすぎます。たとえば遠山と重信が一緒に学内集会+デモに出ているところなど、演出が時代考証としておかしい。結果的に前半では、佐野史郎(さらぎ徳二)が他の役者をすべて呑んでしまっています。
中盤の山岳ベースでのシーンは、人殺しを見せられるだけで、殺される側の思想性が伝わってこないのは話になりません。もしその「落差」を示すなら、山本直樹『レッド』のような丁寧な日常性についての描写が必要でしょう。ただ森と永田が旅館ですごすシーンはきれいです。
この映画の最大の問題は銃撃戦ではないかと思います。監督は「権力の側から撮らない」と言いながら、最後に逮捕される過程では、結局カメラを機動隊の側から回している。もちろん逮捕される側から撮ったら何が映っているのかわからないのでしょうが、でもそうだとしたら結局「実録」ってのは何のことなのか。
70年代新左翼については、小川プロの三里塚シリーズや土本典昭『パルチザン前史』を観る方が当時の思想や様子がわかりますし、完成度は比べようもない。また連合赤軍を扱ったという映画という点で言えば、高橋伴明『光の雨』は、山岳ベースでのリンチ殺人や銃撃戦をあえて「再現」しないことによって、かえって「連合赤軍的なもの」について考える材料を提供してくれるように思います。
誰も触れないのが不思議ですが、同時期に公開されたアン・リーの『ラスト・コーション』の前半の方が、若者たちの変革への情熱と先走りを描くという意味ではずっと優れたドラマです(もっとも『中国女』を意識しているようにも読めますが)。

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